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神戸地方裁判所 昭和53年(わ)1106号 判決 1979年2月21日

(一)本店の所在地

兵庫県伊丹市西台一丁目一番三一号

法人の名称

技研化成株式会社

代表者の住居

兵庫県尼崎市塚口町六丁目二三番地の九

代表者の氏名

小山雅生

(二)本籍

兵庫県尼崎市塚口町六丁目二三番地の九

住居

右同所

会社役員

小山雅生

昭和五年一月二三日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官石田昌司出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告技研化成株式会社を罰金一、六〇〇万円、被告人小山雅生を懲役一年に各処する。

被告人小山雅生に対し、この裁判の確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社技研化成株式会社は、兵庫県伊丹市四台一丁目一番三一号に本店を置き、食料品用軽量容器の卸売業を営むもの、被告人小山雅生は、同社の代表取締役として業務全般を統轄しているものであるが、被告人小山雅生は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て

第一  昭昭四九年九月一日から同五〇年八月三一日までの事業年度における実際の所得金額は四、〇四三万五五六円、これに対する法人税額は一、四四二万四、一〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、売上及び仕入割戻金の一部を除外するなどの不正の方法により所得を秘匿した上、同五〇年一〇月三一日、同市千僧一丁目四七番三号所在の伊丹税務署において、同署長に対し、所得金額が二、〇九四万三、三八八円、これに対する法人税額が六六二万九、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税七七九万四、八〇〇円を免れ

第二  同五〇年九月一日から同五一年八月三一日までの事業年度における実際の所得金額は一億一、八九八万八、〇二四円、これに対する法人税額は四、四八五万二、二〇〇円であるにもかかわらず、公表経理上、仕入割戻金の一部を除外するほか、決算操作による架空仕入を計上するなどの不正の方法により所得を秘匿した上、同五一年一〇月二九日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が五、一〇六万八、四五〇円、これにする法人税額が一、七六九万三、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税二、七一五万八、九〇〇円を免れ

第三  同五一年九月一日から同五二年八月三一日までの事業年度における実際の所得金額は一億八、四三八万二、二一八円、これに対する法人税額は七、〇九二万三、八〇〇円であるにもかかわらず、前記第二同様の不正手段を講じた上、同五二年一〇月三一日、同税務署において、同署長に対し、所得金額が六、八六四万三、二三四円、これに対する法人税額が二、四六三万五、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税四、六二八万八、四〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

冒頭の事実

一、登記官作成の法人登記簿謄本

第一の事実

一、大蔵事務官作成の脱税計算書(自昭和四九年九月一日至昭和五〇年八月三一日の分)

一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(前同年度の分)

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料二通(前同年度の分)

一、大蔵事務官作成の昭和五三年六月二八日付、六月三〇日付、八月二二日付査察官調査書

一、三原元、西田治、中埜一の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、中川俊男の大蔵事務官に対する供述書

一、小山圭子の大蔵事務官に対する昭和五三年四月二八日付、五月二日付、六月一日付、八月一日付、同月三日付三日付、同月一一日付、同月一八日付(検甲七七号の分)、同月二三日付各質問てんまつ書

第二の事実

一、大蔵事務官作成の脱税計算書(自昭和五〇年九月一日至昭和五一年八月三一日の分)

一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(前同年度の分)

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料二通(前同年度の分)

一、大蔵事務官作成の昭和五三年八月八日付(検甲二二号の分)、九月一六日付査察官調査書

第一、第二の事実

一、大蔵事務官作成の昭和五三年八月一日付、八月一八日付査察官調査書

一、秦寿善、鈴木信也の大蔵事務官に対する各供述書

第三の事実

一、大蔵事務官作成の脱税計算書(自昭和五一年九月一日至昭和五二年八月三一日の分)

一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(前同年度の分)

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料二通(前同年度の分)

第二、第三の事実

一、大蔵事務官作成の昭和五三年八月三日付、八月八日付(検甲二三号の分)、八月二五日付、九月一一日付査察官調査書

一、中村和正の大蔵事務官に対する質問てん末書四通

一、村上弥生、加藤文彦の大蔵事務官に対する各供述書

一、小山圭子の大蔵事務官に対する昭和五三年七月一三日付、同月三一日付各質問てん末書

第一ないし第三の事実

一、検察官作成の電話聴取書

一、大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料付表

一、大蔵事務官作成の昭和五三年六月二四日付、八月八日付(検甲二一号の分)、八月一〇日付、八月一一日付、八月二五日付査察官調査書

一、中村良之(二通)、若原基重、戸塚英彦、藤原潤一、渡邊正道(二通)、小林政夫の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、金正義信、松本憲司、岡森修、森川裕夫(二通)、江原淳の大蔵事務官に対する各供述書

一、小山圭子の大蔵事務官に対する昭和五三年四月一七日付(二通)、同付二七日付、五月一二日付、六月五日付、同月八日付、七月七日付、八月一七日付、同月一八日付(検甲七六号の分)、同月二一日付、同月二三日付(検甲八〇号の分)、九月七日付、同月二五日付各質問てん末書

全事実

一、小山圭子の検察官に対する供述調書

一、被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書五通及び検察官に対する供述調書並びに当公判廷における供述

(法令の適用)

被告会社に対し

第一ないし第三の事実 各法人税法一六四条一項、一五九条一項

併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項、法人税法一五九条二項

被告人小山雅生に対し

第一ないし第三の事実 各法人税法一五九条一項(いずれも懲役刑選択)

併合罪加重 刑法四五条前致、四七条本文、一〇条(第三の罪の刑に加重)

執行猶予 同法二五条一項

(裁判官 荒石利雄)

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